ぺぷしのーげん

アプリケーションエンジニアによる雑記ブログ

VWに見る日独メーカーのIT音痴|フォルクスワーゲン不正排ガス規制逃れ

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VWが大変なことになっています。なんと排ガスの浄化装置をソフトウェアで制御し、検査時にはフル稼働でクリーンな排ガスを、お客さんが使用しているときは稼働を抑えて燃費向上を図っていたというのです。こんなことにソフトウェアを使うなんて、1人の情報系エンジニアとしては怒りの感情すら湧いてきます。

 

20世紀型産業を引きずる日独。新産業に移行した米国

1980年代まで米国も日独のような製造業主体の経済だったといいます。ビッグ3やGE,キャタピラーなど未だ健在の大手製造業もあります。しかし、GEはその形態が大きく変わってますし、ビッグ3も昔の輝きは今はありません。1990年代から米国経済を牽引したのはIT産業です。マイクロソフト、アップルが世の中に現れはじめ、2000年代からはアマゾン、Facebook、Twitterなど次々と世界企業が生まれてきています。この間に日独では同様の企業はほとんど生まれていません。独のSAP社くらいじゃないでしょうか、世界的IT企業は。

このIT革命の流れは今までの製造業の製品にも影響を与えはじめます。1990年代に製品は電子制御に切り替わり、2000年代にはハードウェア機能からソフトウェア機能へ消費者の関心は変化していきました。この変化に日独のメーカーが適応できたかというと、個人的にはかなり懐疑的です。日本では多くの家電メーカーが目も当てられない惨状と化してしまいました。自動車もまだハードウェアに消費者の関心が比較的残っているだけのことでしょう。

 

なぜソフトウェア機能へ製品の魅力を移行できないのか

僕はメーカーで働いていますが、すべて機械ありきです。機械の仕様やコンセプトが決まって初めてソフトウェアの仕様やコンセプトが決まります。いわば機械の奴隷なのです。機械がこうだからソフトもこう動いてくださいね、と。これではいつまでたってもソフトウェアで製品の付加価値を上げることはできません。もはや時代はソフトウェアに合わせて機械を設計する時代なのです。iPhoneをみれば分かります。iPhoneはソフトウェア中心設計のハードウェア製品です。ソフトウェアを中心に考えていなければジャイロセンサー、加速度センサー、電子コンパスなど様々な電子部品は搭載しません。そんなものハードウェアは利用しないからです。それなら電子部品を取っ払って小さくしたほうが良い。これがハードウェア中心設計です。そんなハードウェア機能には消費者はもう興味ないのです。

 

今回のVWの不正排ガス規制逃れで思うこと

それと今回の事件に何の関係があるのかと思うかもしれません。しかし、今回の事件はその状況を裏付けているように感じたんです。試験時は排ガス浄化装置をフル稼働し、それ以外では稼働を抑えて燃費をよくする制御ソフトウェアを作れと会社に言われて作るソフトウェア開発部門。これってどう考えてもソフトウェア開発部門の政治力が弱い証拠でしょう。もしかしたら外注かもしれません。でも、外注していたらそれはそれでソフトウェア開発を重視していないということを意味しています。

あー、やっぱしドイツも日本と同じなんだなーと思って、なんとも悲しい気持ちになった事件だったのでした。これはテクノロジーの粉飾決算ですよ。今度の展開が気になるところです。

 

おしまい。