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ぺぷしのーげん

アプリケーションエンジニア(C#er)による雑記ブログ

日本の新卒採用という就活システムはポテンシャル採用のため多くの学生にとって恩恵があるんですけどね

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たびたび話題になる新卒採用市場や就活の問題論。僕も5年前に経験して様々な問題を感じたものです。とはいえ、この問題は多くが企業や経済的なことに関して。様々な学生が就活に関して不平不満を述べていたりしますが、学生に関しては大半が上手くいかないことに対する不平不満による制度批判でしかありません。日本の就活システムって学生にとってありがたい制度であるって認識があまりに浸透してないですよね?

 

日本の就活システムの問題点

日本の就活システムの特徴は「ポテンシャル採用」であるということです。ポテンシャル採用とは、個々の潜在能力を評価して採用する方式のことです。つまり、今は何の役には立たないけど、君は教育すれば仕事ができそうだから採用するよっていう曖昧なものなんです。実際に日本の企業が求める人材の能力は以下の通りです。

(1)チャレンジ精神(変革する力、バイタリティ)
(2)チームワーク力(共感力、チーム志向)
(3)コミュニケーション力(論理的思考、伝える力)
(4)リーダーシップ力(周囲を巻き込む力、主導力)
(5)主体的行動力(自律的アクティビィティ、やりぬく力)
(6)グローバル素養(異文化受容力、語学力)

人事部の告白! 有力企業が欲しい人材「6つの能力」:PRESIDENT Online - プレジデント

何かよく分からん

これをどうやって測るのでしょうか。たった数十分のグループディスカッションや面接でこれらの能力を正確に測るのは非常に困難です。つまり、ポテンシャル採用というのは企業側にとって非常に非効率なんです。

  • 応募の倍率は数十倍から数百倍
  • 定量的にポテンシャルを測るのは難しい
  • ポテンシャルを測るのは時間がかかる
  • 1人の学生の能力を測る時間はせいぜい数十分

つまりザル

入社後すぐの研修で「あいつ採用したの失敗だったな」と言われる人は大手の企業ではあることです。これが日本の就活システムの問題であり、企業や経済的な問題点です。学生にとっての問題は、

  • ザルなので優秀な人が確実に内定貰えるわけではない(志望が叶わない)
  • 仮に即戦力だったとしてもポテンシャル採用なので給料が安い

といったように、優秀な学生が割を食うということです。このため、ネットに氾濫している学生の就活批判は不平不満による制度批判でしかない場合がほとんどです。

 

本当に日本の就活システムは学生にとって悪なのか

学生から聞こえる就活批判は以下のようなものが多いです。

  • 嘘をついた人が勝つ理不尽なゲーム
  • 志望動機なんて聞いてどうするの?そんなんで採用決めるの?
  • 喋りが上手い人だけが勝つ

大抵が企業側にデメリットがある問題なんですよね。別に学生にとってそんなにデメリットか?という内容がほとんど。理不尽なのは分かりますが、入社したらもっと理不尽なことだらけです。そんなんで折れてたら最初から入社しないほうがいいです。

それでは海外のように公正公平に採用してみますか?海外の企業の求人条件を並べてみましょうか。

  • ネイティブレベルの英会話能力(TOEICのスコアは見ません)
  • C#, C++の開発経験5年以上
  • 同業で正社員として3年以上経験のある方
  • 10人以上の部下のマネジメント経験(2年以上)がある方
  • 公認会計士の資格を保有かつ、実務経験10年以上の方

こんな感じですよ。海外には新卒採用市場が存在しないので、新卒でも日本でいう中途採用市場で企業を探さなければなりません。それって本当に学生のためになりますかね?

 

ポテンシャル採用をやめると多くの学生は就職できない

海外には新卒採用市場がないという話をしました。これには以下のような理由があります。

  • 同一労働同一賃金
  • 年齢による差別の禁止

これらが日本よりも意識が高いためでしょう。仕事ができるできないに年齢は関係ないのです。このため、新卒でも経験者と内定を争わなければならないのです。その代わり、新卒でも高い給料を得ることができる可能性は生まれています。

しかし、やはり先進国では経験者が就職に強いことが若年層の失業率を上げる要因となり問題となっています。日本だと若い人のほうが採用されやすいので、年齢差別の禁止は年配者向けの施策という認識が強いですが、これは不当(年功序列)に日本の若い人の人件費が安く抑えられているからです。海外では同一労働同一賃金なので、経験のない若者が不利になるのです。

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世界・若者の失業率ランキング - 世界ランキング

実際に15~24歳の失業率において、日本は世界でも極めて低い数字を誇っています。これは日本がポテンシャル採用を行うことで、若年層の経験の無さをカバーしているためです。もし日本の就活システムを解体し、すべての学生を中途採用市場に送り込むとどうなるでしょうか?恐らく多くの学生が経験者である中途組に駆逐されて終わりだと思います。今の就活システムより悲惨な地獄絵図と化すでしょう。。。

例えばフランスの新卒就活について。こっちのほうが日本よりはるかに過酷だと思いますね。でも企業や経済的にはこちらのほうが効率が良い。

フランスでは、「新卒」・「中途」の区別はない。すなわち、「新卒」だからといって日本のように働いた経験がなくてもいいということにはならず、あるポストに応募する場合、そのポストに対応する資格や同様のポストに就いていた職務経験が重要視されるのである。では、職務経験のない一般的な学生はどのように就職をするのであろうか? フランスでは、職務経験の乏しいあるいはまったくない若者は、有期雇用や派遣などの非正規雇用を経験し、職務経験を積んだうえで、日本の正社員に相当する無期限雇用にたどり着くのが一般的である。

参考:フランスの若者とキャリア:研究:Chuo Online : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 

というわけで、日本の就活システムは新卒の学生のためにあるという持論でした。このことを踏まえて就活批判を見直してみてください。見え方が変わると思いますよ。

たとえばこれ。「就活は学生のためにならない」と捕らえている人が多いかもしれませんが、正しくは「優秀な学生はポテンシャル採用の就活システムでは損をする」です。ここら辺を見誤らないようにしたいですね。

 

おしまい。