YahooニュースなんかはNHKの話題になると「見ない」「いらない」「契約は任意性にしろ」など批判で溢れてしまいます。そこで今回はNHKが本当に日本に必要とされていないかを検証してみます。
公共放送は必要
NHKを国営放送と呼ぶ人がいます。総務省の所管だからでしょうか。しかし運営は一般市民や企業からの受信料で行われているので、ここでは公共放送という言葉を使います。NHKも自身を公共放送と呼んでいます。(参考:公共放送とは何か|NHKよくある質問集)
さて、公共放送という存在はとても大切です。マスコミは政治を監視する存在であると小学校では習いますが、マスコミを監視する存在については習っていません。現在ではインターネットがその役割を担っていますが、NHKも一定の役割を担ってきました。例えば、
- 民放は巨額の広告費を払っている企業の不正を放送することはハードルが高いが、NHKはそのようなことはない。
- 政治関連のニュースは昨今の政治離れでは視聴率が取れず民放は報道しても赤字になってしまうが、NHKはそのようなことはない。
このように、公共放送というのは国家運営において重要な役割を担っているわけです(その役割を100%果たしているかは別問題ですが)。このため、観たい人だけから受信料を取れば良いという考えは見当はずれです。それでは公共放送ではありません。それだとスカパーやWOWOWと同じになってしまいます。観たい人だけで運営してしまうと、結局視聴率型の民放と立場が変わらなくなってしまい、それは公共放送とは呼べません。観ないから受信料を払わないは公共放送の否定で、公共放送が不要と思うならそういう主張もありだと思います。が、払いたくないから払いたくないという浅はかな人が大勢を占めてますよね。それは税金を払いたくないという短絡的な感情論と同じです。それでは国もNHKも何も動かないでしょう。
他にも海外で日本の情報を取得する手段としてNHKは重宝します。ニューヨークに行ったときも普通に今の日本の時事がNHKから知ることができてとても便利でした。今はネットで今の日本を知ることもできますが、海外でわざわざ能動的に時事を調べる時間もそんなにないんですよね。
そもそもNHKは人気がある
NHKは面白くないから廃止しろとか、受信料を払いたくないという声もネットでは散見されます。そもそも本当にNHKの番組は面白くないのでしょうか?そもそも面白くないのかどうかを調べてみました。以下は2015年のテレビ視聴率ランキングです。
- 第66回NHK紅白歌合戦・後半(NHK総合/12月31日)=39.2%
- 同・前半(NHK総合/12月31日)=34.8%
- 第91回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(日本テレビ/1月3日)28.3%
- 同往路(日本テレビ/1月2日)28.2%
- 連続テレビ小説・あさが来た(NHK総合/12月4日)=27.2%
- 24時間テレビ38愛は地球を救うPART10(日本テレビ/8月23日)=26.7%
- ニュース・気象情報(NHK総合/5月30日)=26.3%
- 世界野球プレミア12・日本×韓国(TBS/11月19日)=25.2%
- 連続テレビ小説・マッサン(NHK総合/3月20日)=25.0%
- 24時間テレビPART9(日本テレビ/8月23日)=24.5%
なんと、10番組中5番組がNHKです。NHKの圧勝です。紅白や気象情報だからズルいという人もいるかもしれませんが、民放も特番を持ってしてNHKに勝てていないんです。また、時間帯別視聴率も見てみましょう。
日テレ"三冠王"確実、TBSがレギュラー堅調で躍進へ - 15年度視聴率争い情勢 | エンタメ | マイナビニュース
悪くないですよ。民放と互角というか平均以上の数値を叩き出しています。NHKは面白くないというのは個人的な感想であって、一般論ではないようです。更に、これはNHK総合だけです。NHK教育など他番組も含めての受信料ですから、なかなか頑張っているとも言えます。
まとめ
- 公共放送は国家運営に必要な存在
- 個人的な感想で公共放送を廃止するのは浅はか
- NHKは視聴率でも面白い番組が多い
というわけで、観たい人だけ払えというのは論外です。それは公共放送の否定であって、NHKの諸問題に対する言葉としては浅はかです。それなら公共放送の是非から論理建てしてもらわないとですね。公共放送不要論を唱えるのは良いと思いますが、そこまで論理建てしてる人は見たことないですね。
おしまい。