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広島カープ黒田博樹選手の引退理由と昭和平成の美徳感について

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広島カープ黒田博樹投手が今シーズンでの引退を表明しました。男気溢れる黒田選手にはカープファンに留まらず、他チームファン、野球に関心の低い人からまでも尊敬されてますね。今回の黒田投手の引退のタイミングって結構最近では珍しいんですよね。

 

昭和の美徳感

昔の野球選手は結構早いタイミングで引退していたようです。例えば長嶋茂雄選手と王貞治選手の引退年の成績を見てみましょう。

長嶋茂雄

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長嶋茂雄 - Wikipedia

  • 出場 128試合
  • 本塁打 15本
  • 打点 55点
  • 打率 .244

王貞治

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王貞治 - Wikipedia

  • 出場 129試合
  • 本塁打 30本
  • 打点 84点
  • 打率 .236

お二人とも引退年にも関わらず、フル出場のレギュラーです。今時フル出場した年に引退する野手というのは珍しいですよね。お二人とも打率は低いですが、今年は打率が低かったので、来年はここを課題に頑張ります!と言えるくらい他の数字は悪くないです。しかし、お二人ともこの成績で引退しました。どうも昭和のスター選手はピーク時のパフォーマンスをファンに見せられなくなるタイミングが引退の時期だったようです。まだできる!と惜しまれながら後進に道を譲るというのが昭和の美徳感だったのかもしれません。

 

平成の美徳感

時代は変わり、身体が動く限り現役を続ける選手が増えてきました。スター選手でも30代後半で戦力外通知を受け、他球団に出場機会を求めて現役を続けるというのは珍しくなくなりました。最近では昨年ソフトバンクホークスから戦力外通知を受けた松中信彦選手もその一人です。松中選手の2015年の成績を見てみましょう。

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松中信彦 - Wikipedia

  • 出場 9試合
  • 本塁打 0本
  • 打点 1点
  • 打率 0.67

かなり厳しい成績です。しかも2015年だけでなく、2013と2014年も同じような成績です。ソフトバンクは引退して今度は教育者としてチームに貢献して欲しいと要請しましたが、松中選手はまだ現役を続けたいということで自由契約となりました。こういった姿勢は時代とともに応援されるようになったようです。昭和の時代では「昔はあんなに凄かったのに、惨めなもんだ」なんて思う人が多かったようです。某テレビ番組で張本さんがそういった主旨の発言をしていた記憶があります。昭和と平成では引退の美徳感が大きく変わったのですね。

 

黒田投手はどうなのか

というわけで今回の本題である黒田投手の成績を調べてみました。

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黒田博樹 - Wikipedia

  • 登板 24試合
  • 勝利 10勝
  • 敗戦 8敗
  • 防御率 3.09

とても引退する成績には見えません。現役バリバリのエースピッチャーです。同時期に引退する横浜ベイスターズの三浦大輔選手の成績も見てみましょう。

三浦大輔

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三浦大輔 - Wikipedia

  • 登板 3試合
  • 勝利 0勝
  • 敗戦 3敗
  • 防御率 11.05

黒田投手と比べるとかなり厳しい成績です。お二人の述べた引退理由も全く違います。

  • 三浦投手「勝てなくなったから」
  • 黒田投手「完投できなくなったから」

黒田さんマジですか。。。

三浦投手も男気溢れる方で、勝てなくなったと言える姿が潔くてカッコいいです。しかし、黒田投手、完投できなくなったからってあなたはサムライか。すごいですね。成績ではなくて、最低でもこうあるべきという姿があるのでしょうね。これは昭和の美徳感なのかなと思いました。最近は珍しいタイプです。

 

個人的にはソフトバンクホークスの三連覇を阻止した日本ハムに日本シリーズを買ってもらわないと困ると思っていたのですが、黒田投手の引退公表のタイミングと理由に心を動かされました笑。きっと素晴らしい戦いになるんでしょうねー。

 

   

おしまい。