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アメリカとメキシコの国境にトランプ大統領はどのような壁を作ろうとしているのか?世界の壁を参考に調べてみました

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アメリカのトランプ大統領がメキシコとの国境に壁を作るという公約と発言が話題となっています。メキシコ側は決まっていた首脳会談をキャンセルしたかと思えば、電話会談で問題の棚上げを両首脳が表明するなど、今後の動向は不透明なままです。このアメリカメキシコ国境に壁を建設するには1兆円ものお金が必要だとか、いやいやそれ以上必要だという試算もあるようです。そこで今回は、人類の歴史から壁にかかる予算感や実現性などを検証してみました。

 

万里の長城

国境沿いの壁といえばやはり万里の長城でしょう。中国人は歴史上何度もモンゴル人に侵略されており、これを防ぐために作った壁が万里の長城です。これは1時代1つの王朝が建設したわけではなく、様々な王朝、様々な時代で建設と整備が繰り返され今の万里の長城となったようです。全長は8900キロと九州から北海道までの距離があると言われていましたが、近年では中国は研究の結果2万キロを超えるものだったと報告しています(本当かよ…)。

 

ベルリンの壁

西ドイツと東ドイツの境界線に建てられたベルリンの壁です。これも万里の長城に匹敵する人類史上を代表する壁でしょう。ベルリンは第二次大戦末期に西洋連合軍とソ連の話し合いで戦後の分譲統治が約束されたものの、予定以上にソ連がドイツを攻め込んだせいでベルリンの周囲が全てソ連占領地となってしまいました。ベルリンの西部は連合軍の統治下でしたが、いわゆる西ドイツの飛び地状態に。ここを西ドイツ亡命の拠点となり、東ドイツの人口流出が深刻になり急遽不意打ちで作られたのがこのベルリンの壁です。不意打ちだったので、たまたま東ドイツにいた人、たまたま西ドイツにいた人で家族バラバラになった人も多かったようです。

このベルリンの壁。不意打ちで全部作るのは不可能です。まずは1日で155キロの有刺鉄線付きフェンスを作ったようです(十分すごいですが)。そして、徐々に壁に置き換えていったようです。つまりベルリンの壁は155キロ前後というわけですね。

 

イスラエル西岸地区の分離壁

イスラエルがパレスチナ自治区との間に作った分離壁です。恐らく近年最も新しい壁でしょう。間に作ったと言っても中にはパレスチナ側に入り込んでいる部分もあるようで、国際的にも非難されている壁です。総建設予定長は700キロを超える規模で、現時点で6割以上が完成しているようです。700キロというと直線距離で東京から広島くらいでしょうか。一見現実性のない計画ですが、現実となってしまっているのがすごいです。壁で囲むってSF映画や漫画の世界観ですよね。

なお、この壁はイスラエルいわく効果は絶大だったようです。パレスチナ側からテロリストがイスラエル側に流入するリスクを激減させ、事実、自爆テロの事件数や死者数は激減しています。悲しい壁ですが、人が亡くなる事件が大きく減っているという事実があると撤去しろとも言いにくいものです。これだけ絶大な効果があったため、イスラエルの政治家からはトランプ大統領の壁建設発言を応援、支持する声があがってきています。

 

アメリカとメキシコの国境

アメリカとメキシコの国境線はおよそ3000キロあると言われています。実は国境の壁というのは今もそれなりに整備されているようです。

しかし、人が住んでいないような砂漠地帯などもあり、全長3000キロにおよぶ壁を建設するのは現実的ではなかったようです。そもそも、誰も人がいなければ時間をかけて壁を乗り越えることができますし、それを防ごうと更に高い壁にすると建設費も天文学的な予算となってしまいます。また、高くしても穴を掘れば良いですし、それすら防いだとしても監視する人がいなければ壊してしまう人もいるでしょう。結局は3000キロを監視するシステムや人がいなければ壁は機能しないわけです。

 

というわけで、以上世界の壁特集でした。アメリカとメキシコ国境線はイスラエルに続く壁になってしまうのでしょうか。しかし、イスラエルと違い、費用対効果はほとんど期待できるものにはならなさそうですねえ。