高校入学早々、元素記号を覚えさせられます。誰もが「おいおい日本人には不利だわ」「日本人だから記号と元素名が全く一致しない」という悲鳴が聞こえてきますね。しかし、そんな関門を越えた高校生たちを容赦なく絶望の淵へ突き落す単位が襲います。そうですモルです。
0.012 キログラムの炭素12の中に存在する原子の数と等しい数の要素粒子又は要素粒子の集合体(組成が明確にされたものに限る)で構成された系の物質量
いきなりこんな説明されても挫折者を大量生産するだけです笑。また、「6.02x10の23乗を暗記しろ!」という先生も最悪です。ではこの強敵モルはどのように理解すればいいのでしょうか?
モルという単位はダースと同じ種類の単位である
もうこれが答えです笑。どういう意味か。では質問です。2ダースの鉛筆があります、鉛筆は何本あるでしょうか?答えは 12 x 2 = 24 本 です。1ダースというのは12個の組の単位です。実はモルもダースと同じなのです。1モルというのは6.02x10の23乗個の組の単位なのです。つまり、炭素原子が1モルあるというのは、炭素原子が6.02x10の23乗個あるという意味なのです。

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なぜモルから重量が導き出せるのか
モルは個数であることが分かりました。高校化学ではモル数から物質のグラム重量を求めさせる問題が出題されます。これは物質の質量が分かれば簡単です。ダースで例えてみると、1本50グラムの鉛筆が3ダースあります。さて鉛筆は何グラムあるでしょうか?答えは簡単です。50 x 3 x 12 = 1800グラムです。物質も同様です。では物質1個当たりの重量ってどうやって求めるのでしょう?
実は先に学んだ元素記号の原子量がその1個当たりの重量となります。正確には「1モルあると何グラムになるか?」から原子量が決められているのです。でも勘違いしないでください、原子量の単位はグラムではありません。これ以上は興味があればご自分で調べてください。Wikipediaで十分説明されています。
では原子量12の炭素が2モルあると何グラムになるでしょうか?
12 x 2 = 24グラム
とりあえずモルに関してはこれで理解できるんじゃないかなと思います!