フィンランドがベーシックインカムを導入するというニュースが発表されて話題となっています。果たして本当にそんなことが可能なのでしょうか。
ベーシックインカムってなに?
ざっくり言うと1人1人が国からお金を支給されます。生活保護のように1世帯でいくら、ではなくて1人いくらです。フィンランドは11万円ですので、1人暮らしならば世帯に11万円、4人家族なら世帯に44万円支給されるということになります。この支給条件はなく、大金持ちからニート、ホームレス、生まれたばかりの赤ちゃんにも支給されます。
そんなことが本当に可能なのか?
もちろん今の制度プラスでベーシックインカムを導入するのは不可能です。今日本でサウジアラビアの数倍の油田が見つかるなどしない限り。
現在もお金を支給する制度というのはあります。生活保護、年金、医療保険などです。これらは条件によって支給可否が決まったり、その額も変動します。すると、各システムで支給可否や額を調べたり判断する機関や人を雇わなければいけません。ベーシックインカムはそういった管理費を一切取り除き、国民1人1人に一定額を配ってしまえという方法です。実際に日本の現在の税収でも、年金や医療保険を廃止することで国民1人当たり毎月4~5万円支給できるという試算があるそうです。支給額を10万円前後にするには消費税導入などが必要ですね。
本当にそれで世の中は良くなるのか?
ずーっと良し悪しについては議論されてきました。あるときテレビで芸能人たちが「これいい!!日本で導入してほしい!!」って言ってましたが、多くの人が幸せになっても一部の人は不幸になる可能性もあります。例えばベーシックインカムを所得の再分配と考えると、高所得者の課税額を大幅に増やす方法も有り得ます。そんな状況も考えずに高所得者である芸能人が全員賛同してたのは見ていてちょっと面白かったり…笑。
本当にフィンランドはベーシックインカムを導入するのか?
駐日フィンランド大使館は次のように述べています。
ベーシックインカムの調査を行う社会保険庁KELAのページにも、これからプレリミナリな調査がはじまり、2016年の春に他国での実施状況の報告が政府に提出され、同年後半に試験モデルや調査計画がたてられ、2017年にトライアルが計画されている、って書いてあるよ。
— 駐日フィンランド大使館 (@FinEmbTokyo) 2015, 12月 8
ようするにまだ確定ではないとのこと。しかし記事によっては「確定」と報道してますね。フィンランド国民の支持も高いようですし、ここまで来て「やらない」は言えない状況まで来ている可能性もあります。
さてフィンランドの壮大な社会実験。一般市民も経済学者もその先行きは大きく注目するでしょうね!