https://spaceflight.nasa.gov/gallery/images/shuttle/sts-129/html/s129e009243.html
国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士に向けて「無重力の世界はどうですか?」という質問は定番中の定番です。しかし、そもそもなんで宇宙が無重力かって考えたことありませんか?
初めて疑問に感じた中学時代
私自身も物心ついたときから「宇宙は無重力」と言われて何も疑問に感じていませんでした。しかし、中学校の理科で位置エネルギーと運動エネルギーや万有引力(重力)を学んで疑問が湧いてきました。皆さんも上の写真を見て何か疑問を感じませんか?なぜ宇宙ステーションはこんなにも地球に近いのに無重力なのか?と。中学生の私は考えました。
当時の私が考えた答えは「地球から一定距離以上離れると重力はゼロになる」というものでした。そうでなければ宇宙ステーションの中が無重力になることが説明できません。さらに、この写真を見ていると宇宙ステーションは今にも地球に落ちていきそうです。でも落ちません。やはり地球の重力がゼロになっていないと当時の私には説明できませんでした。
答えが分かったのは高校時代
疑問を感じてから数年後、高校の物理の授業でこの疑問は一気に解決します。それは第一宇宙速度について学んでいる時でした。上の図を見てください。宇宙ステーションはものすごく早い速度で地球をグルグル回っています。するとどうでしょう。宇宙ステーションには強力な遠心力(赤い矢印)が発生するのです。さらにその遠心力は地球と正反対に発生します。実は宇宙ステーション内では、この遠心力が強力な地球の重力を打ち消しているのです。
実は宇宙に無重力な場所など存在しない
さらに高校物理は、当時の私にとって衝撃の事実を突きつけます。それが上の式です。万有引力の力の式なのですが、重要なのはrの二乗の部分だけです。それ以外の記号は実は基本的に定数なのです。そして、rは2つの物体間の距離を示しています。つまり、重力の力というのは2つの物体間の距離の二乗に反比例するのです。地球から離れれば離れるほど地球の重力は小さくなるという意味です。が、どんなに離れてもゼロに近づいていくだけで重力はゼロにはなりません。ましてや宇宙には地球以外の星が無限にありますし、チリやガスもあちこちに漂っています。上の式では、この世のすべての物質から無限に離れた場所でなければ無重力にはならないことを示しています。つまり、宇宙空間に無重力の場所などないのです。(正確には諸説ありますが。。専門的すぎるので割愛)
国際宇宙ステーションの無重力は人工的に作られたもの
この事実は高校生の僕にとっては事件でした。宇宙ステーションの無重力は実は人工的に作られたものだったのです。それ以降、「宇宙の無重力を体感してみたい」という人が理解できなくなってしまいました。なぜなら下記の方法でも人工的に無重力を作り出せるからです。
- 水中に潜る
- スカイダイビング
- 飛行機の放物線飛行
- フライステーション
などなど。最も宇宙ステーションに環境が近いのは飛行機の放物線飛行でしょうか。日本でも30万円くらいで体験できるみたいです。宇宙に行くより安価ですね。宇宙から地球が見たいとか、星が見たいというわけでなく無重力を体験したいだけであればこちらを個人的にはオススメしますよ!
もっとお手軽にいきたいならフライステーション!ついに日本にもやってくるようです。バラエティ番組の海外ロケとかで見たことありますよね。
でもちょっと無重力からは離れるかなあ。。。というわけで、以上宇宙は無重力ではないというお話でした!