ここ数年でシャープは早期退職制度を利用して国内の40代以上の社員を6000人解雇しました。となると、会社の平均年齢は下がると思うのですが、なんと上がっていることが判明しました。
シャープの社員数(従業員数)の推移
ここ4年間で、連結社員が12000人ほど減っています。5人に1人が会社を去った計算になりますね。特に2012年と2015年は早期退職制度を利用して40代以上の社員が大量に退職したので、2013年と2016年は大きく従業員数が減少しています。なるほど。早期退職制度でおじさんが大量離職したので、平均年齢は下がっているはずです。そもそも企業の若返りも経営回復にとって重要な施策ですよね。
シャープの平均年齢の推移
あ、あがってるー!!!
早期退職制度で40代以上の社員が大量に離職しているにも関わらず、従業員の平均年齢は上がっていました。嘘でしょ…。若返りを図るための早期退職制度でもあるのに、老化が進んでしまっています。原因が全然わからなかったので、この理由を調べてみました。
シャープの退職内容を分けてみた
冒頭にシャープの従業員は12000人減ったと書きました。しかし、調べてみるとシャープの早期退職制度で退職した社員は6000人しかいません。つまり、ここ4年でシャープを去った社員のうち、早期退職制度を利用しての退職者は全体の半分しかいないことになります。
自主退職者の年齢構成は?
これは公開されていないのでわかりませんが、単純に早期退職制度の対象外の人だと推測できます。ということは、その多くが40歳未満の社員。つまり、離職した40代以上の社員と同数の20代、30代が離職していることになります。若い人は今後も長く働かないといけないので、将来が見えない会社にいるよりも若いうちに転職してしまおうと考える人も多そうですね。しかも、世の中の会社はどこも若手社員の割合が低いです。このため、同数が離職した場合は平均年齢が上がってしまうことになります。
ちなみに自己退職には少なからず40代以上の社員も含まれています。早期退職制度は人事評価が一定以上高いと対象外となってしまうからです。仕事ができない人は退職金を多めにもらって沈没船から脱出していくのに対し、仕事ができる人は退職金を大幅に減額されて自ら沈没船から脱出しなければならなかったようです。ひどいですね。
退職金の減額を嫌って今もシャープに残っている人も結構いるようです。
鴻海はどう動くか?
まだ買収が正式に決定したわけではありませんが、鴻海は「40歳未満の社員の雇用継続を約束する」という条件を出していると言われています。これに対してメディアは好意的に報道していますが、これって「40歳以上は容赦なくクビにするから」と言っているとも理解できます。人事評価が高いから早期退職できず、結局退職金ゼロでクビになったりしたらさすがに可哀想ですね。人事評価高いからクビにならないかもしれませんが、そもそもシャープの人事評価制度と鴻海の評価制度が同じとは限らないので。
明日は我が身。やはり会社依存の人生じゃなくて自分で食っていけるようにならないとですねー。
おしまい。