天皇陛下が生前退位の意向を示していることが報道されました。かなり衝撃的なニュースです。重労働である公務を今後も続けるのは問題ではないかという声がありました。しかし今回、陛下自ら生前退位をご決断されるというのは、その気遣いに感謝するとともに、今まで何も対応できなかった宮内庁や国の責任が問われるかもしれません。
生前退位とは
その名の通り、生きているうちに地位を退くことです。前代未聞と言われたりしていますが、天皇制が終身制になったのは明治天皇からです。明治天皇からは崩御されるまで皇位継承が行われることはありませんでしたが、江戸時代以前には一般的に行われていました。明治維新で数百年ぶりに大政奉還されたことで、天皇を絶対的な存在とするために生前退位を皇室典範という皇室に関する法律に加えなかったという話があるそうです。生前退位を認めると、退位を申請する相手が必要となり、それが天皇以上の存在になってしまうかもしれませんからね。また、外圧で退位に追い込まれるようなことを防ぐ意図もあったようです。
なぜ生前退位するのか
天皇陛下の年齢と持病のことを考慮した結果、今後公務を続けることに支障が生じるのではないかと考えたようです。公務は国益と直結していますので、支障が生じるというのは国益を失する可能性があるわけです。実際に以前から陛下の年齢と持病を考慮した公務スケジュールにすべきではないかという声はありました。
後継者は誰になるのか
疑問にも思わず、皇太子殿下だろうと思っていました。が、生前退位が皇室典範に規定されていないので分かりません。崩御の場合は皇位継承順位から皇太子殿下が継承することが皇室典範で定められていますが、生前退位は皇室典範で規定されていないので不明です。生前退位なの譲位相手を選択する権利があっても良いという考えもあるでしょう。まあ十中八九、皇太子殿下が継承するのだと思いますが。。
元号が変わる
【速報】天皇陛下が生前退位へ。平成が終わる | netgeek
元号法という法律では、元号について次のように規定しています。
- 第1項:元号は、政令で定める。
- 第2項:元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める(一世一元の制)
元号は政令で定めるということで、内閣が元号を決めることになるようです。決める方法は特に規定されていないので、元号を変えるときの内閣が決め方も考えることになります。また、元号は現在皇位継承があった場合に限り改めることができるようになっています。江戸時代以前は、大地震や事件があった際に元号を変えることがありました。現在は元号法によって天皇在位中は変更することが禁止されています。ただ、変更を禁止しているだけなので、平成を使い続けることは可能なのかもしれません。まあ十中八九、元号は変わるのでしょうけど。。
しかしこのような判断を陛下自ら行うというのは、やはり色々と思うことがあったのだろうなと思ってしまいます。天皇陛下という地位は誰も想像できないものですからね。。
おしまい。