人工透析の医療費が高額な上に、保険適用されるため日本の健康保険のシステムを破綻させつつあると以前から言われています。中には自業自得で人工透析が必要になった人は全額自己負担にしろという声まで出てきました。今回はその人工透析の費用内訳を調べてみました。
人工透析の費用内訳
透析一回にいったいいくらかかるのか!? ( その他の病気 ) - いなかんの徒然日記! - Yahoo!ブログ
公的な資料を見つけることはできませんでしたが、ほぼ現実であろうブログを見つけまして、それを円グラフにしてみました。
- 診療報酬 16,000円
- エポジン 3,000円
- ダイアライザー 2,000円
- 透析液 2,000円
- その他 2,000円
人工透析1回にかかるコストは約2万5千円。実際には人工透析機器の電気代や水道代がかかるため、3万円弱といったところでしょうか。これだけなら、まあ、月1なら払えないこともない、、か?という金額なのですが、人工透析というのは週に2~3回行わなければなりません。つまり週に5万~8万円くらいかかるわけです。1か月になると単純計算で30万円くらいですね。実際の統計でも一般的に人工透析患者は月30~50万円かかるそうです。一時的なら良いのですが、これは死ぬまで続けなければなりません。結果として年間400~500万円の医療費を永遠に支払わなければならないのです。これは日本人の全労働者の平均年収に匹敵します。とても払えません。
ではどうやって患者は医療費を払うのか?
どう考えても人工透析の費用は負担できません。ではどうやって患者の方は負担しているのでしょうか。それは保険です。実は人工透析は高額療養の特例として手厚い保険給付がなされています。そのため、透析患者の自己負担は月1万円が上限となっています。つまり患者1人あたり国は400~500万円を保険給付しているわけです。これはすごいですね。なかなかここまで手厚い保険給付をできる国も少なく、実際にインドでは人工透析の医療費を払うことができず亡くなる方も多いそうです。
人工透析患者は国内に32万人
2014年時点で国内には人工透析患者が32万人に達したそうです。単純に1人当たり500万の給付とすると、、1兆6千億円ですかね?すごい金額です。日本の税収は50~60兆円ですので、実に2~3%を占めます。全額が税金から拠出されているわけでもないかと思いますが。
ではどうするか?
人工透析を止めると32万人もの日本人が生きていくことができません。しかし、1つの病気に1兆6千億円もの公費を支払い続けるのも現実的ではありません。ではどうするか?
- 健康診断や人間ドックで予備軍を洗い出し、予防システムを充実させる
- 技術を向上させ、人工透析の回数を減らす
- 技術を向上させ、人工透析のコストを減らす
例えば不摂生による腎臓の機能低下は予防することができます。人工透析が必要になるまで悪化してしまうと、毎年400~500万もの高額医療が発生してしまうので、いかに健康診断や人間ドックで不摂生による患者を減らすかは重要です。
また、人工透析の技術向上によるコストダウンも急務です。バイオ透析膜などによりコストが下がったなんてニュースも昔聞いた記憶があるのですが、現状はまだまだ高額のようです。1兆6千億円もあれば技術革新も起こせそうですけどね(このお金は給付金の予算のため使えませんが。。)。
しかし、このテクノロジーの時代でもこれだけのコストがかかる人工透析ですが、腎臓は人の身体の中で交換無しに80年以上機能するわけです。これはすごいよなーって思ってしまいます。
おしまい。