アメリカが離脱して白紙になったかに思われた環太平洋パートナーシップ(TPP)でしたが、ここにきてアメリカ抜きの11ヵ国で合意と実施となりそうです。アメリカに次いで経済規模の大きい日本が合意まで主導したと国内では報道されています。今回はアメリカの離脱前後のTPPのGDP規模を調べてみました。
アメリカが抜ける前の12カ国
アメリカと日本で8割ほどを占めています。日本でもTPPはアメリカとの2国間FTAプラスアルファだと言われることもありました。多国間協定なので、アメリカと2国間でFTAを協議するよりも妥協を得やすいとの指摘もありましたね。
アメリカが抜けた後の11カ国
色が変わって申し訳ないですが、日本が半分を占めるようになります。同時にカナダ、オーストラリア、メキシコの3国の存在感が一気に出てきます。アメリカが離脱する前は日米で8割でしたが、アメリカが抜けると上位4カ国で8割になります。アメリカが抜ける前よりはバランスは良くなりました。
しかし経済規模が大きく減少
しかしバランスは良くなったものの、アメリカが抜けた穴はあまりにも大きいです。TPPの経済規模は半減どころか7割減に近いです。アメリカが抜ける前はTPPは世界経済の4割の規模だったのですが、アメリカが抜けた後は1割とちょっとです。
アメリカ外しのTPPという表現は間違い
アメリカ外しでTPPを合意するという表現がたまに見られますが、この表現は正しくないことが上記の数字と合意内容から予測できます。というのも、11カ国の合意ではアメリカが再び戻ってくることを前提にしており、20項目が凍結という扱いになっているそうです。もしアメリカ外しであるならば、この20項目は凍結ではなく廃止でしょう。凍結というのはアメリカに戻ってきてほしい気持ちの現れなのだと思います。
とはいえ良くアメリカ抜きでここまで持ってきたものです。是非とも合意から実施まで進み、アメリカに復帰してもらって日本経済を豊かにしてほしいですねえ。