やらかしてくれましたCoincheck。まさかのXEM全流出です。不正アクセスで多少の流出は分かりますけど全部ですよ。僕が預けていたXEMはCoincheckのウォレットにはもう残っていません。Coincheckは投資家のXEMを補償することはできるのでしょうか。。
追伸
全員に補償することが決まったー!
流出したのは5.2億XEM!
今回Coincheckから不正に送金されたのは5.2億XEMです。XEMの供給量は90億XEMですから、実に全XEMの5.8%です。Coincheckのハッカーは一夜でXEMの大量保有者になったわけです。
Coincheckの過失だがNEM財団も動かざるを得ない
XEMの5.8%をハッカーが保有している状況はさすがにXEMの信用にとって大問題です。いくら流出がCoincheckの過失であってNEMの脆弱性が原因ではないとしてもNEM財団はXEMを守るための行動は起こさざるを得ないでしょう。実際に流出したXEMの追跡やハッカーのウォレットの監視など迅速に動いています。
2/ So the good news is that the money that was hacked via exchanges can't leave. So please share this info. The largest hack in history was solved for by NEM in a matter of hours. That is the power of the NEM platform and NEM team.
— Inside NEM (@Inside_NEM) 2018年1月26日
NEM財団の対応によりハッカーは盗んだXEMを現金化することが難しくなりました。しかしそれとCoincheckにXEMが戻ってくることは全く関係がありません…。リスクを負って盗んだXEMが全く現金化できなかった場合にハッカーが消耗してCoincheckに身代金と引き換えにXEMを返却する交渉をする可能性はありますが、それはハッカーが更なるリスクを負うことでもあり、可能性はとしてはないのではないかと思います。
Coincheckは自力で補償できるか?
記者会見で何度も聞かれていたのがCoincheckの余力資金です。単純な話、Coincheckが1兆円の資金を持っていれば580億円の補償は可能なわけです。しかし未上場の新興企業が580億円もの補償ができるとは考えにくいです。
とはいえ本当に不可能なのか考えてみました。Coincheckが取り扱っている仮想通貨は13種類あります。XEM以外の通貨と時価総額を並べると下記のようになります。
- Bitcoin 202,282億円
- Ethereum 112,649億円
- Ethereum Classic 3,083億円
- Lisk 2,754億円
- Factom 423億円
- Monero 5,356億円
- Augur 991億円
- Ripple 50,271億円
- Zcash 1,534億円
- Litecoin 10,541億円
- Dash 6,527億円
- Bitcoin Cash 29,059億円
そしてXEMの時価総額は8,227億円です。これらを円グラフにしてみるとこうなります。
Coincheckが保有している仮想通貨もこの時価総額の割合で保有していると仮定します。すると流出したXEMは1.9%で580億円となるので、、、
580億 / 0.019 = 30,526億円
3兆526億円の仮想通貨を保有していることになります。ということは580億円のXEMを自力で補償することはできるのでは…。まあ、3兆円の大半はCoincheckの顧客の資産なんですけどね。XEM保有者以外の資産も毀損する可能性があると記者会見で言っていたのはこの選択肢を示唆したものだと思います。
Coincheckを誰かが買収する?
Coincheckは高額利用者が多く、買収できるなら名乗りをあげる企業もあるのではないかと言われています。当然そこで580億円の補償が問題となるのですが、Coincheckは時価総額が10億ドルを超えるユニコーン候補として名前があがる企業でした。今回の問題が起きる直前の評価額は580億円を超えている可能性もあります。とすると、補償を債務として引き受けてでも買収する企業はあるかもしれません。先日の記者会見でもCoincheckの株式は和田取締役社長と大塚取締役で過半を保持していると答えていました。今回の責任をとって二人の保有株を第三者に売却、その企業は株の過半を保有することでCoincheckを子会社化し、580億円の補償を請け負うというシナリオもないこともないですね。
CoincheckCoinを発行する
CoincheckCoinというトークンを新たに発行し、XEMを保有していた投資家にXEMの代わりに配布するという補償方法もあります。
コインチェックコインを発行して、債務とコインを交換する方法(Debt Coin Swap)という話もあり。Bitfinexがハックされた時に使われた方法。今後の利益のなかから、コインを買い戻して変換する。
— 大石哲之(Bitcoin,Blockchain) (@bigstonebtc) 2018年1月27日
せっかくなので新しいファイナンス手法をからめてこの危機をクリエイティブに解決するのも面白いと思う
倒産してゼロになるくらいならこっちのほうがいいですね。しかし法的なハードルや、投資家の理解を得るなど決して簡単な方法でもありません…。
とりあえずCoincheckのXEMは-100%と思え
色々と補償内容や実現性を考えてみましたが、基本的に今はXEMが-100%になったと思うのが一番のような気がします…。ほら、+200%や+1000%が普通に出てくるのが仮想通貨市場だったわけですから、-100%くらいで騒いでもしょうがないって思えなくもないですか?(数字の罠です)。