数年前、中国人のインターンシップ生に電車内で聞かれたことがあります。どうして日本人は年配の方へ席を譲らないのかと。これを中国人に言われたことに驚いて未だに印象深く覚えてる。しかしこれは難しい問題ですよね。
当時の回答
正直そのような指摘を受け、日本人として恥ずかしいという気持ちが大きかったです。とはいえ、日本で席を譲るって面倒くさい。なので当時はその面倒くさい点について答えました。
- 日本の年配者は元気
- 席を譲っても断られることが多い
- 断られた後が気不味い
- まだ若いわって怒られることもある
非常に面倒くさい。
最も気不味かった事件
僕が目撃した光景で最も気不味かったのは、
- 若者が席を立って「どうぞ」と薦める
- 年配者が「大丈夫よ」と断る
- 若者が困りながら「いえいえどうぞ」と更に薦める
- 2人が薦めて遠慮し合っている間に、状況を知らない他の乗客が座る
- 2人とも「あ…」
漁夫の利で座った人が悪いと思うかもしれませんが、最初から状況を見てない人からすると、ただ知人同士で会話してるようにしか見えないんですなあ。それにしても、こっちまで気不味かった。
そもそも年配者に無条件で譲るべきなのか
この多様性の時代に無条件で年配者に席を譲れというのは違和感を覚えます。昔みたいに皆んな背中が曲がっているわけでもなく、働いていないわけでもないですからね。例えば、乗客構成が下記の通りだったら、誰が誰に席を譲るべきなんでしょうか?
- 年金受給者で無職。毎日が休日で、今日はお昼から街で映画を観て、オシャレなレストランで食事をして帰るところの老夫婦
- ブラック企業の社畜。三晩連続で徹夜で作業し、満身創痍の状態で家路についている会社員
- 朝から体調が悪いものの、代わりが見つからずバイトを休めなかった学生。なんとかバイトを過ごし、早く布団に入りたい。
- 長距離通勤のサラリーマン。1時間立っていて、さっきようやく座れたところ。まだ30分は乗る予定
- ジム帰りのおじいさん
どうなんでしょう。難しいですよね?更に、若者が席を譲ろうとしても結構な確率で断られるんです。だったら、できるだけ気づかないようにして、ひたすら死んだように寝た方が自分の身体にとっても良いって判断になりますよ。
高齢化社会では席を譲るのは難しい
そもそも昔は年配の人は少数派だったわけです。年配の人が全員座っても、それなりに席は余る。体調が悪かったり、疲れている若者が座っていても席を譲れたわけです。しかし今はどうでしょう?年配の人が全員座ったら若者が座る席はなくなるのではないでしょうか。
また、年代における経済格差も問題になっています。確か65歳以上の金融資産が日本の個人資産の過半数以上を占めていたはずです。資産だけでなく、電車の席まで抑えるつもりか!なんて思う若者も今後出てくるかもしれません。
学生時代、徹夜で実験してホームセンターへ買い出しに行ったとき、疲労と睡魔でちょっとソファーで休憩していました。すると店員のおばちゃんに「若いのにダラシない」と言ってるのが聞こえました。こっちは徹夜で実験してたのに、ソファーで休憩することも許されないのか…と思いましたね。しかもこっち客なんですけど。なんだかなー。
おしまい