大学に入学してから塾講師を1年ほどしていました。それまでは、なんとなく問題を解いて、公式を覚えて、みたいな感じだったのですが、塾講師をやることで高校や大学受験の勉強方法について気づいてしまいました。もっと早く気づけば良かったのに orz
個別指導型の塾講師してました
大学に入学してから個別指導型の塾講師を始めました。担当は中学生で、担当科目は理科と数学。理系とはいえ、最初は結構苦労しました。暗記分野なんかは結構忘れているんですよ。考えて回答する問題なんかは大丈夫だったんですけどね。なので、数学の方が最初は気が楽だったかもしれません。授業は1コマ90分で、同時に3人の生徒を見ます。単純計算で1人当たり30分ですが、説明に時間をかけすぎると、他の生徒が問題を解き終わって待機状態になってしまいます。意外と飲食店の厨房並みに忙しいんですよ。オーダーをどう回して作っていくのか?という問題と似てますね。
慣れると問題に飽きてくる
同時に3人の生徒を見るということは、1コマで同じ問題を3回解くというのと同じなんです。もちろん、3人が同じ科目で同じ章をやっているとは限りません。が、最終的には3回教えることになるんです。実際にはそれ以上の生徒を請け負っているわけですから、同じ問題を5回10回と解くわけです。そうなると、「またこの問題か」となるわけです。説明もルーチン化してきます。
違う問題が同じに見えてくる
秋を過ぎてくると、学校でも新しいことは教えなくなります。全課程が終わり、本格的な受験勉強となります。ここまでくると、僕は今まで何問の理科、数学の問題を解いたことになるのでしょうか。もはや、問題文や図形を見ただけでパターンが見えてきます。
- これは夏期講習のテキストにあった問題と同じだ
- 以前、ケアレスミスで間違った問題と同じ方程式だ
- 問1で長さを聞いてきたから、次は角度を聞いてくるはずだ
なんと、問題を解くのに頭を使わなくなっていきます。問題を見た瞬間に、この問題はあのパターンだなと手が動いてしまうのです。
思い返せば得意科目は頭使ってなかった
そのとき気が付いたのですが、僕は大学受験のとき、物理はあまり頭を使っていませんでした。そして、問題冊子を開いて電気回路が目に入ると、
- この抵抗の値が書かれてないから最初に聞かれるだろう
- コンデンサーがあるから、計算した抵抗値から電気容量を聞かれるだろう
- 図2にはコップと水があるから、ジュール熱から水の温度上昇量が聞かれるだろう
以上のように大問のストーリーが頭に浮かんでいました。こうなると、ストーリー通りに式を組み立てて計算するだけです。頭は使いません。
つまり受験勉強とは問題全体を覚えてパターンを理解すること
中学、高校生のときは、問題が解けるというのは頭が良いからだと思っていました。しかしこれは大きな間違いです。問題が解ける人は解法をしっているだけなのです。問題を見て「こうやれば解が出るんじゃないかな?」なんて考えていません。「あ、これはアレだな」と瞬時に理解して、解法通りに答えを導いているだけなのです。そこでは頭はあまり使っていません。ルーチンワークです。というわけで、塾講師を経験した結果気づいた受験勉強方法とは、
- とにかく問題を解きまくる
- 問題を解きまくると、パターンが見えてくる
- 模試で分からない問題があったら、今まで解いた問題集に同じ問題が本当になかったかどうか確かめる
こんな感じでしょうか。高校時代、先生にとにかく問題を解けと言われた意味が受験が終わってようやく理解できました。しかし、このことを理解していなければ、ただただ問題集を消化するよう努めるだけなので、意味がありません。本当に今まで似た問題がなかったのか?ということを意識していないとダメです。
頭が良いと勉強できる人が多いのは、問題のパターンにすぐ気が付くからです。頭が悪い人は何度も繰り返し問題を解かないとパターンに気づけません。僕は塾講師をやって、何回も同じ問題を解いてようやく気が付きました。もっと早く気が付いていれば、もっと楽に、もっと良い大学に進学できたかもしれませんね。笑
おしまい。