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昨日イギリスでEU残留を問う国民投票が実施されました。以前から離脱が過半数を取りかねないと言われていましたが、結局は楽観的な報道や観測が大勢だったかと思います。しかし蓋を開けてみれば離脱の勝利。国民投票を実施したキャメロン首相は辞任に追い込まれました。今回はこの国民投票結果と政党支持を比較してみましたよー。
キャメロン首相とは
British Prime Minister David Cameron casts his ballot in EU referendum vote #BrexitOrNot pic.twitter.com/OIMUSslEhw
— TIMES NOW (@TimesNow) 2016年6月23日
保守党党首の49歳です。若いですねー。しかし、キャメロン首相は2005年から保守党党首をやっています。38歳で二大政党の党首です。これはすごい。ちなみに日本の若手議員で最も有名な小泉進次郎議員は35歳です。4年後に小泉進次郎議員が自民党党首になるようなものです。大抜擢ですね。
保守党とは
キャメロン首相が首相になったということは保守党は第一政党の与党ということです。保守党は当然日本語に翻訳された名前で、正式名称は「Conservative and Unionist Party」です。保守党はイングランドの富裕層が主な支持層だそうです。つまり、ロンドン周辺のお金持ちに支持されていると近いでしょう。イギリスは昨年総選挙が行われ、保守党は議席を伸ばして単独過半数を回復したそうです。当時の選挙結果を見てみましょう。
青が保守党が勝利した地域です。確かにイングランドで圧倒的な勝利数を誇っています。一方でスコットランド(北部)や北アイルランドでは全然議席を確保できていません。イギリスは保守党の単独政権であるにも関わらず、その支持層はイングランドだけという歪んだ政治体制になっているのですね。
今回の国民投票の結果
国民投票を行うことはキャメロン首相の考えです。そして彼の主張はEU残留。つまりEU残留は保守党の利益であり、支持層のイングランドの利益であることが想像できます。一方で、スコットランドや北アイルランドは厳しい結果が想像されますね。では結果はどうだったでしょうか?
EU referendum results and maps: Full breakdown and find out how your area voted
赤がユーロ離脱です。
あれ?なんかおかしくね?ちょっと並べてみましょうか。
保守党支持者全員ユーロ離脱希望
保守党でEU残留を希望していたのは、その党首であるキャメロン首相だけだったみたいです。悲しいお話ですね。満を持して国民投票を実施したのに、総選挙で全く票をくれなかったスコットランドや北アイルランドがユーロ残留に票を入れ、身内の保守党支持層が揃ってEU残留にNOを突き付けたわけです。
どうしてこうなったのか
なぜ身内の支持を得られない国民投票を実施してしまったのか。実は逆で、身内を納得させるために国民投票を行ったんですね。保守党はその名のとおり保守派ですので、独立色が強いわけです。そうなると、EUという外部組織の影響をイギリスが受けることを嫌う傾向があるわけです。しかし、そんなことをしてはイギリスの政治経済は大打撃を受けます。そこで、キャメロン首相は支持者たちにEUへの不満のガス抜きとして、EU残留を問う国民投票の実施を2013年に公約で掲げてしまったのです。その結果がこのザマです。短期的な選挙対策で長期的に国益を失ってしまうことになるかもしれません。
さてさて、EUの離脱には最短でも2年はかかる見通しだそうですが、今後ヨーロッパはどうなっていくのでしょう。日本にまで飛び火してこないことを祈ります。。
おしまい。