30歳前後になると話題になる不動産。賃貸住宅に住んでいると月々の家賃が馬鹿になりません。だったらその家賃をローン返済に変えたほうが資産も残るし良いじゃないかという話になります。あれ?でも本当にそうなんですかね??
賃貸住宅に50年住んだ場合
30歳だと平均で残り50年くらいありますね。この期間をずっと賃貸で過ごすとしましょうか。ずっと同じ物件というのは稀ですが、まあ、計算のために下記のように仮定しましょう。
- 賃貸マンション
- 家賃 10万円
- 管理費 1万円
- 駐車場 1万円
- 50年間合計 7,200万円
たっか!
この数字だけで分譲マンションを買いたくなってしまいます。これ分譲マンションの営業資料じゃなくて、僕が今計算した数字ですからねw
分譲マンションに50年住んだ場合
住宅ローン
家賃10万円と同レベルの分譲マンションっていくらなんでしょう?とりあえず以下のように住宅ローンを定義します。
- 住宅ローン 4000万円
- 変動金利 0.8%
- ボーナス払い なし
- 35年払い
変動金利なのに変動しないと仮定して計算してみます。
- 月々の返済額 10万9,229円
- 合計返済額 4,587万円
利息を587万円も払わないといけないんですね。とはいえ、ここだけ見ると賃貸の7,200万円より圧倒的にお得です。しかし、分譲マンションには維持費があるんですよ。
維持費
- 駐車場 1万円
- 管理費 1万5千円
- 修繕積立金 1万円
- 固定資産税 1万円
- 火災保険 5000円
- 月額 5万円
結構高いですね。固定資産税は最初は高く、年数が経つと下がってきます。また、場所によっては固定資産税とは別に都市計画税がかかったりします。このため、分譲マンションの品質や価格帯によっては維持費が月額10万円に到達することもありそうですね。。とりあえず月額5万円で計算してみると、
- 月額 5万円
- 年額 60万円
- 50年間 3,000万円
- 総額 3,000万円 + 4,587万円 = 7,587万円
賃貸より高い!!!
なんと賃貸より387万円も高くなりました。80歳になっても賃貸の方がトータルで安いんですよ?しかも分譲マンションの維持費を少なめに見積もったにも関わらずです。
総額が高くても分譲マンションを選ぶ理由
総額が高くなっても分譲マンションを選ぶ理由を考えてみました。
- 資産が不動産として手に入る
- 賃貸より耐震性が高い
- 老後に収入がなくても家が残る
資産が不動産として手に入る
賃貸は家賃が消費で消えますが、分譲だと不動産として残ります。現物が残るということに日本人は価値を感じる傾向にあるかもしれませんが、分譲マンションって20年も経つと資産価値ってほとんどなくなるんじゃ…。もちろん数百万にはなるかもしれませんが、4,000万円で買って数百万円て…。海外だと4,000万円で買ってもそんなに下がらなかったりするんですけどね。日本は地震が多いため、資産価値の経年劣化が激しいです。また、日本人は中古を過小評価する傾向があるのも影響していますね。とにかく、現物としてマンションの部屋が残りますが、経済的にはほとんど価値ないよって話。(よほどの一等地を買わない限り)
賃貸より耐震性が高い
これも一般的に言われること。でもいざ地震が来たらどうでしょう?賃貸でも賃貸マンションであればそう簡単に倒壊しません。致命的なダメージを受けても死者はでることは稀。それに致命的なダメージを建物が受けても、経済的なダメージは軽微で済みます。一方で分譲マンションは、倒壊せずに命が助かっても経済的に破滅的なダメージを受ける可能性があります。それを防ぐために、火災保険のオプションを追加して、免震構造のマンションを選んで…なんてしているとお金がかかります。賃貸との経済的な差が更に広がってしまうんですよね。。
老後に収入がなくても家が残る
老後で収入がなく、家賃が払えない状況を恐れて不動産が欲しいという人もいます。しかし、先に計算したように、賃貸のほうがトータルのコストが安いのです。これが逆転するには90歳くらいまで生きた場合ではないでしょうか。でもそうなると分譲マンションは築60年ですよね…。現物として分譲マンションを保有していても、結局築60年だと修繕費とか建て替えなど賃貸以上の支出が突然降って湧く可能性が結構あります。。意味あるんですかね?
まとめ
- 家賃10万円の賃貸に50年住むと7,200万円
- 4,000万円の分譲マンションに50年住むと7,587万円
- 分譲マンションの維持費が月々賃貸物件並みに発生する
ということで、家賃が6万円以下の賃貸マンションに住むのが一番賢いのではないかと。そうなると田舎になってしまうのですが、経済的にはそれが一番なんじゃないですかねえ。。
おしまい。